ブッシュが勝つかもしれない理由その1

TomoMachi2004-10-27

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20041022
上の日記を見てもらえばわかるように、ハリウッドの俳優や映画監督たちは反ブッシュで団結して運動している。
科学者や学者たちも反ブッシュを表明した。


しかし、これは逆効果に働く可能性がある。
彼ら芸能人や文化人が住むのは主にニューヨークやボストンなどの東海岸、カリフォルニア、それにシカゴ、つまり大都会である。
で、この世論調査による民主党共和党の支持分布を見て欲しい。青が民主党過半数獲得を確定している州、赤が共和党だ。
黄色と緑はどっちが勝つかわからない接戦州(2000年に共和党が勝った州が黄、民主党が勝った州は緑)。


青なのは東海岸とカリフォルニア、それにシカゴのあるイリノイだ。
これは実は大卒の人口の多い州、中産階級の人口が多い州とぴったり一致している。
インテリの中産階級民主党びいきとよく言われる通りだ。
東海岸、カリフォルニア、シカゴといえば日本人が観光で訪ねる土地である。
映画やテレビや音楽で日本に入ってくる文化もほとんど、その地域で作られるものだ。
いや、それ以前にアメリカの経済や産業も、その地域のみに集中している。
つまり、日本人が知っている「現代の」アメリカ――豊かで自由で文化的な先進国というイメージは、
東海岸、カリフォルニア、それにシカゴについてのものなのだ。


しかし、それはアメリカ全体から見ると、ほんの一部に過ぎないのだ。


それ以外の赤、黄、緑の州は、日本人があまり行かない地域であり、巨大な田舎である。
人口のほとんどは農家や工場労働者などブルーカラーである。
彼らの一世帯の収入は三万ドル(3百万円)以下。
そこでは、おそろしいことに成人の4人に1人以上が自分の名前ていどしか読み書きができない。
そう言うと「貧しい黒人やメキシコ移民だろう」と思うかもしれないが、
文盲の5割近くはアメリカ生まれの白人である。
つまり先進国だと思われているアメリカは内部に無知で貧しい「白い土人」という巨大な第三世界を抱えているのだ。


そして、彼らは東海岸やシカゴやカリフォルニアの文化人や芸能人を憎んでいるが、
彼らの声はメディアの表面に出ないので日本や外国にはわからない。


ベトナム戦争の時、ヒッピーや学生運動やロックや映画スターや文化人が戦争に反対した。
だから、メディアだけ見ているとアメリカ中が戦争に反対しているように見えたので、ニクソンは選挙で負けるかと思われた。しかし、フタを開けると彼が勝った。ニクソンは愛国的なサイレント・マジョリティが自分を支えていると言った。
 

今回もスターや文化人の反ブッシュ運動は、田舎の人々の反感を買う方向にしか働かない可能性がある。
チーム・アメリカ』で反ブッシュ芸能人叩きをした二人はコロラドの出身だった。あそこには二年住んでいたからわかるが、実に保守的な土地だった。(続く)