『マトリックス』の原点『V フォー・ヴェンデッタ』

TomoMachi2005-12-28

アラン・ムーア原作『V フォー・ヴェンデッタ』の予告編が出回り始めた。
http://vforvendetta.warnerbros.com/trailer_2.html


この映画は2005年の夏に公開する予定だったがロンドンで爆弾テロが起こったので延期になったのだ。
というのも爆弾テロリストをヒーローとして描いているからだ。


映画のほうはわからないが、原作のコミック(88年)は、90年代のロンドンが舞台。
核戦争の後、イギリスにはファシズム政権が成立し、『1984年』のように、国民を監視して軍事独裁を続けていた。
映画ではナタリー・ポートマンが演じるヒロインは左翼だった父を秘密警察に殺され、生活のために売春をしようとするが警察官に輪姦され、殺されそうになる。
そこを「笑い仮面」をつけた謎の男「V」に救われる。
「V」は爆弾テロやコンピュータ・ハッキングを駆使してファシズム政権にたった一人で立ち向かっていた。
オペラ座の怪人」の政治テロ版、といった感じで、ムーアはこの原作コミックを、サッチャー政権で右傾化する80年代イギリスへの批判として書いた。


マトリックス』のウォシャウスキー兄弟はもともとムーアと同じくコミック原作者で、
ムーアを尊敬していた。
そして、『マトリックス』の前に、ウォシャウスキー兄弟はこの『V フォー・ヴェンデッタ』を脚本化した。
つまり、黒装束のテロリストがシステムに挑む、という『マトリックス』の原点がこの『V フォー・ヴェンデッタ』なのだ。


今回、そのウォシャウスキーの脚本を映画化したプロデューサーは『マトリックス』のジョエル“15分に一回爆発シーン”シルヴァー。
監督は、『マトリックス』の助監督だったのジェームズ・マクティーグ


『リローデッド』『リボリューション』で尻すぼみになった革命はここで成就されるのか?


正義のテロリスト「V」を演じるはエージェント・スミスことヒューゴ・ウィーヴィング
原作だと最後まで仮面を取らないんだけど……。

ちなみにナタリー・ポートマンの役柄は『レオン』とほとんど同じだ。