「ミリオンダラー・ベイビー」の原点

TomoMachi2005-05-06

ウェブ連載「スカパー!シネマ倶楽部」に、クリント・イーストウッド監督『愛のそよ風』について書きました。
http://cinemaclub.skyperfectv.co.jp/Column/index.html


これは17歳のヒッピー少女と55歳の不動産業者との年の差愛を描いた1973年の映画で、
イーストウッドが初めて監督だけに専念した作品だが、
もともとは彼の主演作として企画された。
劇中には全裸のラブシーンがあるので、イーストウッドはそれを自分で演じるのが恥ずかしかったのかも。


ミリオンダラー・ベイビー」は30歳の女子ボクサーと72歳の老トレイナーとの一種の「ラブストーリー」だが、その原型を『愛のそよ風』に垣間見ることができる。


ここには書いていないがイーストウッドがプロデュースした『ダーティハリー3』も新米女性刑事を相棒として任されたハリーが嫌々ながら彼女を指導していく物語で、『ミリオンダラー・ベイビー』と同じテーマを扱っている(ラストの展開も似ているのだ)。


それにしても『愛のそよ風』でヒッピー娘を演じるケイ・レンツ、『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンク、『ダーティハリー3』の女刑事タイン・デイリーは、3人ともガッシリした顎にデカい歯がズラっと並ぶ骨ばった容貌で、イーストウッドの女の好みって一貫してるなあ。


ずっと同棲してたソンドラ・ロックや子供を生ませたフランセス・フィッシャー、それに最近やたらお気に入りの女優マーシャ・ゲイ・ハーデンと、みんないわゆる美人ではないのが、イーストウッド御大の深いところかもね。