ブッシュが勝つかもしれない理由その3

TomoMachi2004-10-29

アメリカ人にとって)ブッシュ再選を阻止するべき根拠はこれだけある。


★そもそも4年前の選挙でブッシュは得票数でゴアを5万票も下回ったが選挙人制度のため、フロリダでわずか5百票勝っただけで、ブッシュが政権を握ったが、フロリダでの選挙は州知事ブッシュ弟が黒人の投票を妨害した結果による。
イラク戦争でのアメリカ兵の死者が千人を超え、イラク人の死者が十万人と判明した。フロリダの500票がなければ、その十万と千人は死なずにすんだ。
911テロをイラクのせいにし、大量破壊兵器というウソを使って、しなくてもいいイラク戦争を起こした。
★その後、イラクとテロは無関係であること、大量破壊兵器など存在しないことが確定した後も、「間違った情報に従っただけだ」と間違いを認めつつ、一切謝罪しなかった。
イラクに攻め込んだのに石油価格は史上最高に高騰したが、ブッシュは緊急時の石油備蓄を放出しない。テロに屈したことになるという理由だ。しかし石油高値のせいで多くの企業が減収し、株価は下落した。しかし、石油業界だけが莫大な増益を得た。
イラク復興事業を大口受注したハリバートン(チェイニー副大統領がCEOをしていた会社)が不正な利益を得ていると、FBIが調査に乗り出した。
911テロの遺族会が事件の前後におけるブッシュ政権の不誠実な対応に怒り、ケリー支持を表明。
★大統領史上初めて、4年の任期中に雇用数を減らした。大恐慌時でもこんな事態はなかった。
クリントン政権時の財政黒字をいっきに5千億ドルの史上最大の赤字に転落させた。
★その原因は年収2億円以上の富裕層への大幅減税と、戦費だ。
★この4年間にアメリカの貧富の差は拡大し、極貧層の人口は史上最大に増え、犯罪発生件数も、史上最低だったクリントン時代から、史上最悪だったブッシュ父時代に匹敵する勢いだ。
★ブッシュが当選すると、さらに四年間、富裕層の大幅減税と戦争が続き、赤字はさらに倍増し、アメリカ経済崩壊の可能性がある。
★赤字のためについに社会保障のための貯蓄まで使い果たしてしまった。
ブッシュ政権と癒着していたエンロン役員の有罪が確定的になっている。
★4年間ブッシュが北朝鮮を放置していた間に、金正日は核ミサイル開発を着実に進めた。
イラクで暴れているテロリストの多くは、フセインに弾圧されていたイスラム過激派と、戦乱に乗じて外国から入り込んだアルカイダ系だ。彼らを解き放ったのはアメリカ自身だ。
★国民の反政府活動を監視するためにインターネットや図書館の個人情報を政府が自由に閲覧し、盗聴を自由にできる「愛国法」をでっち上げたが、これによって防がれたテロ活動はひとつもなく、反ブッシュ思想の持ち主やジャーナリストへの弾圧だけに使われている。
財政赤字のため、公立学校は資金を減らされ、音楽体育図画工作の授業が廃止になり、壊れたトイレすら直せず放置されているうえに、学童保育の援助金も削減され、共働き家庭の負担は増大している。
★4年任期が続くと、ブッシュ政権の閣僚が必死に推し進めている中絶全面禁止が実現する可能性がある。そうなると、たとえレイプされて妊娠した女性が中絶しても殺人罪になる。



さらにオサマ・ビン・ラディンがビデオで、ブッシュのおかげでテロがやりやすかったと語った。


ところが、ブッシュの支持率(ニューズウィーク調査)が5ポイント上がった。


なんで? と普通は思うはずだ。


ブッシュがビン・ラディンを捕まえずに、無関係なイラクを攻撃していたから、
今でもこうしてアメリカはテロに怯え続けているのだから。


ところが、それが多くのアメリカ人にはわかっていないのだ。
同じニューズウィークが9月に行った調査では4割もの国民が「イラク911テロに関係していた」と信じていたのだ。
調査委員会が公式に「イラク911と無関係」と発表し、政府自体が「イラクには大量破壊兵器はなかった」と認めたというのに、それがわかっていないアメリカ人が半分近くもいるのだ。


なぜか?
まず、ひとつの原因は、アメリカ人の多くは新聞を読まないからだ。


ブッシュ政権に不利な報道は主に新聞で伝えられる。
しかし、新聞を読むアメリカ人は多くはない。
アメリカ成人の25パーセントが自分の名前程度しか読み書きできないのだから。
アメリカ人のほとんどはテレビで政治に関する情報を収集する。
しかし、三大ネットワークのNBC、ABC、それにケーブル・ニュース局のFOX,MSNBCが共和党支持である。彼らはブッシュに不利な情報は一切報道しない。
FOXをいつも観ている人の7割が「イラク大量破壊兵器が見つかった」と信じていた。



先日のブッシュとケリーの討論会でもケリーは何度も「ブッシュは無意味にイラクを攻撃したせいでビンラディンを逃がした。これではテロとの戦いに勝てない」と追及した。
その姿は30年前に帰還兵ケリーが国会で「アメリカ軍はベトナムで無関係な農民や女子供ばかり殺しているから戦争には勝てない」と糾弾した時の映像とダブる。
ベトナムの時もアメリカ国民の「多数派」はケリーの警告を無視し、戦争継続を選んだ。
今回も同じことが起こっている。


いや、そもそも、戦争がどうなろうと関係ないのだ。
国民の4割が福音派キリスト教徒のブッシュ支持者であり、この支持基盤は強固で揺ぎ無い。
民主党が票を得ることができるのは残りの6割から共和党支持者を引いた、わずかな数なのだ。


共和党レーガンを当選させる時に福音派を支持基盤に取り込み、
実質的に彼らに共和党を乗っ取られた(マケインは共和党の宗教支配に反対している)
ブッシュは福音派に改宗して彼らの支持を確固たるものにした。


毎週日曜の朝は教会に通う福音派は、投票日には互いに声をかけあって投票に行く。
その投票動員率は日本の創価学会以上だ。
彼らはブッシュがウソでイラクに攻め込んでアメリカ兵を千人も殺させようと、
金持ち減税と戦費で、史上最高の赤字を作ろうと、
とにかくゲイ同士の結婚に反対し、中絶を非合法化することに賛成である限り、
ブッシュに無条件に投票する。
この福音派、国民の4割はどうにも動かせないのだ。


しかも、福音派福音派の新聞を読み、福音派専用のニュース・チャンネルしか見ないし、福音派専用のラジオしか聴かない。
また、ユタ州のモルモン、ペンシルヴェニアからミズーリにかけて住むアーミッシュもブッシュを支持している。
また、メル・ギブソンが所属する、原理主義カソリックも、ブッシュを支持している。
彼らは異教徒を許せないからだ。
モルモンはモルモンのニュースしか見ないし、アーミッシュはテレビを持っていない!
それなのに彼らの投票動員力は強力だ。神の教えを守るため、何が何でも投票に行く。
赤字やイラクの死者のことなど彼らには関係ないのだ。


そういう宗教キチガイどもにアメリカ、いや、世界がコントロールされてしまっているのだから
恐ろしいよ。もちろん彼らはイラク人が10万人死のうと気にしない。


『サウスパ−ク』のトレイとマットは「パッション・オブ・ジュー」でキリスト教原理主義の恐ろしさを訴えていたが、『チーム・アメリカ』で反ブッシュ俳優を皆殺しにし、「若者に投票に行くな」と呼びかけていた。このままだと君たちの大嫌いな宗教馬鹿どもの世の中になるけどいいのか?


彼らへの怒りをこめたFlashムービー。
https://home.comcast.net/~treehousehero/gotosleep.htm