アメリカへの祈り

大統領選挙を火曜日に控え、オバマ候補の応援歌を送ります。
日本語の歌詞字幕がついてます。
 歌うは元ユーリズミックスデイヴ・スチュワート
ゲストはフォレスト・ウィテカーウーピー・ゴールドバーグメイシー・グレイハービー・ハンコック、シンディ・ローパー、パメラ・アンダーソン、バリー・マニロウジョス・ストーンジョーン・バエズマーガレット・チョウセルジオ・メンデス他。


「疲れ果てた、哀れな、肩を寄せ合う人々を私の元に送りなさい」
 という一節は自由の女神の台座に書いてある詞。
 書いたのはポルトガルから来たユダヤ系移民の娘エマ・ラザラス。
 自由の女神のあるエリス島には移民管理局があり、ロシア、東欧、イタリア、アイルランドなどから船に乗ってやって来た貧しい人々を誰よりも最初に迎えたのが、この自由の女神だった。
 彼らの多くは母国では貧農や小作人で、母国の文字すら読めない人が大半だった。
 エマ・ラザラスのように、差別や虐殺から逃れてきたユダヤ人も多かった。エリス島には移民たちの名前が刻まれており、その中にはスピルバーグ、スコセッシなどの祖父や曾祖父の名前もある。
 
 
 アメリカは、カウボーイハットをかぶって、パスポートを持たず、外国のことにまったく関心がなく、レストラン以外で非白人と会話することもなく、キリスト教以外は悪魔だと信じている「一元的な人々」が大勢いる国でもあるが、自由の女神の下に世界中から集まって来たさまざまな人たちの国でもある。 


 この歌には、「視野の広さは、立つ位置によって変わる(山に登れば遠くまで見える)」など、「山の頂」「立つ位置」という言葉が出てくるが、これは人種の平等を目指したマーティン・ルーサー・キング牧師が1968年4月3日に黒人への弾圧の激しいテネシー州メンフィスで行った演説を受けたものだ。
 この演説の翌日にキング牧師は暗殺された。


他の誰とも同じように私も長く生きたい。長生きにも意味がある。
しかし、私は今、それには関心がない。
私はただ神よりの使命を果たしたいだけだ。
神は私に、山の頂に上ることを許された。
私はそこから世界を見渡した。
そして約束の地を見たのだ。
皆がそこにたどり着くとき、私はいないかもしれない。
しかし、今夜、知って欲しいのだ。
私たちは皆、必ずやその地にたどり着くということを!


この歌の最初の歌詞「This is the time to finish what you started.And this is no time to dream(今こそ、あなたが始めたことを完成させる時です。もう夢見ている時ではありません)」のYou(あなた)とはキング牧師のこと。キング牧師は「人々が人種や民族ではなく、その人格によって評価される日が来ることを夢見ている」と演説したが、それを夢ではなく、現実にしようと歌っているのだ。


オバマ候補の演説より

私はケニアから来た黒人の父と、カンザスから来た白人の母の息子です。
私を育ててくれた母方の祖父は、大恐慌を生き抜き、パットン将軍の下でヨーロッパ戦線を戦いました。彼が戦場にいる間、祖母はリーヴェンワースの爆弾工場でアメリカのために働いていました。
私はアメリカの中でも最も優秀な大学で学業を修めましたが、世界でも最も貧しかった国の一つで少年時代を送りました。
私は奴隷の血と奴隷主の血を継ぐ女性と結婚し、私たちの血を二人の大事な娘に引き継ぎました。
私の兄弟は、姉妹は、姪や甥や、叔父や叔母は、あらゆる人種、あらゆる肌の色で、三つの大陸に住んでいます。
そして、私は、生きている限り決して忘れません。
私のような者が大統領候補になれるのは、アメリカだけだということを。