「もし僕が大統領だったら」ウィクリフ・ジーン

TomoMachi2006-03-16

今、アメリカでいちばん面白いコメディアン、デイヴ・シャペールの映画『ブロック・パーティ』を観た。
これは2004年にシャペールが、ブルックリンの黒人ゲットーの1ブロックの交通を遮断して行った無料コンサートの記録映画で、
シャペールが司会をしていたTVショーに出演したミュージシャンたちがノーギャラで参加した。
たとえば、カニエ・ウェストエリカ・バドゥー、モス・デフローリン・ヒルなど。
実はこれ、ロサンジェルスの黒人地区ワッツを焼きつくした人種暴動の後、ソウル・ミュージックのレーベル「スタックス」が地区再建を掲げて行ったフリー・コンサート「ワッツタックス」の小型版になっている。
シャペールは、生まれ故郷のオハイオの道端を歩いていた隣人や黒人ばかりの高校のマーチングバンドを交通費宿泊費もコミでブルックリンのライブに招待する。
だから演奏もできるだけデジタルを抑えてブラスや生楽器を中心にしたソウルフルで70年代風で、人種を超えたアメリカの団結や理解を歌う。
ビッグバンドによる分厚く熱いパフォーマンスが続くが、
映画全体をかっさらうのは、『ホテル・ルワンダ』のテーマソングも歌っていたウィクリフジーンが歌うアコースティックな「If I was President(もし僕が大統領だったら)」だ。
http://www.christiansfordean.info/Wyclef.html ←演奏するビデオ
http://www.christiansfordean.info/WyclefPresident.mp3
この歌には歌詞がいっぱいあって、歌うたびに違うのだが、イラク戦争の最中に行われた大統領選挙の頃に歌っていたのはこんな歌詞が多かった。


もし、僕が大統領だったら
金曜日に大統領に選ばれて
土曜日には和平条約を結んで
日曜日には戦争を止めるよ


何十億ドルも戦争に使う代わりに
そのお金を貧しい人々に施すよ
だって僕は貧しい人たちを知ってるから
シャワーを浴びるにも雨を待つしかない人たちを


でも、ラジオはこの歌を放送してくれないんだ
連中はこれを「反逆的な歌」だという


もし僕が大統領だったら
金曜日に大統領に選ばれて
土曜日には暗殺されて
日曜日には埋葬される


もし僕が大統領だったら
子供たちに真実を教えてあげるんだ
コロンブスアメリカを「発見」していない
本当のことを言うんだ
マーカス・ガーヴェイ(ラスタファリズムの指導者)の真実を
マーティン・ルーサー・キングの真実を
JFKの真実を


もし僕が大統領だったら
金曜日に大統領に選ばれて
土曜日には暗殺されて
日曜日には埋葬されて


月曜日には真実をもたらしに帰ってくるよ