昨日発売になった『論座』3月号に、アメリカの「絶対禁欲性教育」について書きました。
「絶対禁欲性教育」はブッシュ政権がキリスト教保守と共にアメリカの公立学校で推進しているもので、
結婚するまで絶対にセックスをしないよう教える性教育。
「絶対禁欲性教育」とはAbstinence-Only Sex Educationの訳。「絶対禁欲」では避妊の仕方も絶対に教えない。
もしものために避妊法やその仕組みを教えるとAbstinence-Plus もしくはComprehensive Sex Education包括的性教育と呼ばれる。
90年代初め、アメリカでは、15歳から19歳の少女の8.4%、約十人に一人が母親になるという状況で、未婚の母率はロシアに次いで先進国中第二位だった
その頃から公立学校で「絶対禁欲教育」が導入されるようになり、ブッシュ政権は「絶対禁欲性教育」のみに莫大な資金援助をしている。
指導員が少しでも生徒に避妊の仕方を教えると政府の助成金は打ち切られる。
「妊娠の医学的仕組みすら教えない絶対禁欲性教育は子どもを無知にとどめようとする非科学的な教育で、避妊を教えられないから逆に妊娠や性病感染が増える」
医学関係者たちは激しく、これに反発してきた。
実は、絶対禁欲性教育は、進化論の否定や中絶全面禁止運動と同じく、キリスト教右派によってコントロールされている。
政府からの助成金で公立学校が雇う絶対禁欲性教育の指導員は、全員福音派教会の牧師と信者だった。そして、学校が購入する教科書も彼らが作ったものだった。
つまり国民の税金が性教育への援助という名目でキリスト教右派に流れる仕組みだったのだ。
ビデオの中で絶対禁欲性教育運動の指導者が「娘にも絶対にコンドームは使わせない」と言う。
コンドームの使用は聖書の教えに反しているのだ。
ただ、近年、実際に十代の出産率は減少しており、ブッシュ政権は、これを絶対禁欲性教育の成果だとしてきた。
そして、つい先日、「アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス」誌の2007年1月号が、未成年妊娠率低下の原因が本当に禁欲教育の成果なのかどうか綿密に検証した結果を発表した。
その結果は……ということで、続きは『論座』を読んでみてください。