『22ジャンプストリート』は『21』のお向かい。


『21ジャンプストリート』の続編『22ジャンプストリート』についてです。

町山『21ジャンプ・ストリート』が大ヒットしたんで、続編来たよ!
――『21ジャンプ〜』は日本ではDVDスルーだったんですよ。
町山 え? 全米で140億円も稼ぎだしたメガヒットなのに?
――チャンニング・テイタムもジョナ・ヒルも日本では知名度低いですから。元になった80年代のテレビ番組も日本ではあまり知られてないし。
町山 ジョニー・デップはこれで人気者になったんだよ。刑事が高校に潜入する学園ドラマ。21ジャンプ・ストリートってタイトルは麻薬の潜入捜査班の秘密基地がある住所で……。
――はいはい。で、続編でしょ。
町山 『22ジャンプ・ストリート』っていうんだ。つまり道を挟んだ向かい側に秘密基地が引っ越したの。で、今度、潜入捜査するのは大学。
――安易すぎません?
町山 安易も安易。ほとんど同じ話だよ。大学で蔓延してる麻薬のルートを探すというだけ。監督は前作同様、フィル・ロードクリストファー・ミラーのコンビ。
――『晴れ時々ミートボール』とか『LEGOムービー』のコンビですね。
町山 そう。今回は『LEGOムービー』が忙しくて、こっちの脚本はロクに読んでなかったと言う話。
――そんないいかげんな。
町山 いいの! 誰もまともな映画なんか期待してないから。ジョナ・ヒル30歳でテイタムは34歳だから、どう見ても学生には見えないんだけど、なぜか「ちょっと老けてるよね」とか言われるだけだし。で、テイタムはフットボール部に入って気の合う親友ができちゃう。それにジョナ・ヒルが嫉妬するのがポイント。
――なんのポイントですか?
町山 もともとテイタムは体育会系で、ジョナ・ヒルは運痴のガリ勉だから合うはずがなかったんだ。ここから映画は性格の不一致で離婚の危機にある夫婦の話みたいになってくる。
――ブロマンスですねえ。
町山 結局、二人は「別居」するんだけど、ジョン・ウェイトの「ミッシング・ユー」がせつなく流れるんだ。♪君のことを思うと胸が締め付けられる。なんで君は去って行ってしまったんだ〜。
――どうかしてますね。
町山 最後はアメリカの学生がスプリングブレイクで盛り上がってるメキシコのリゾート地で大アクションになるんだけど、いちばんの見せ場はその後のエンドタイトルなんだ。これが笑い過ぎで死にそうなほど徹底的にデタラメな……
――はい、そこまで! 『22ジャンプ・ストリート』も日本ではDVDスルーに決まったんで、皆さん、それまでお楽しみに!
町山 セス・ローゲンも出てくるよ!
――そのへん珍しくないです!