枡野浩一くんの『結婚失格』文庫版に解説書きました

本日発売の枡野浩一くんの小説『結婚失格』講談社文庫版に解説を書きました。

結婚失格 (講談社文庫)

結婚失格 (講談社文庫)

枡野くんが離婚調停の間に書評と小説を合体させて書いた本です。
オイラは枡野くんをちょっとだけ知っているので、今回は逆に枡野くん個人のことは全然考えないように、純粋にこの小説のテキストだけを読んで、それを分析してみました。



安東河回村を訪ねる。
ここに、我が一族の祖先、柳龍雲の家がまだ現存している。
重要文化財として保存されているだけではなく、500年間ずっと、宗孫(長男の長男の長男の……長男)が家を守り続けているのだ。
彼らの仕事は家を守ること。だから500年前と同じ生活をして、一族からの寄付で生活している。
(その村は現在、法律で開発することが禁じられている)。
昔の両班と同じく、ただ漢学を学び、書を写し、日々、世界中から訪れる観光客にその生活を観られながら暮らしている。
つまり、その家は博物館であり、彼は展示物なのだ!