ウガンダ少年兵からボクシング世界チャンプへ

毎週金曜日夜11時半からTokyo MXテレビで放送中の『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』、
今週から二週にわたり『カシーム・ザ・ドリーム』をお送りします。


カシームはウガンダからアメリカにわたり、ボクシングの世界チャンピオンになった。
しかし彼は実はウガンダの脱走兵だった。
小学校のときに学校から誘拐され、少年兵として友人や罪のない人々を殺し、拷問してきた。
ウガンダの内戦が終結した後も、彼の心の傷は癒えない。
ただボクシングしている間だけ、悪夢を忘れることができた。


ボクシングの試合で国外に出たカシームはそのままアメリカに亡命した。
ウガンダの軍隊はカシームの父親を責め、拷問して殺した。
「父さんはオレが殺したんだ!」
カシームの望みはウガンダに帰って、父の墓に詫びること。
しかし、ウガンダ政府はカシームが帰国したら脱走兵として逮捕するだろう。
そんな折、カシームは挑戦者に負けてベルトを失ってしまう。
ウガンダに帰るためには、ベルトを取り戻してウガンダの英雄になり、恩赦を受けるしかない。
勝つしかないのだ。
そんな彼を、少年兵だった頃の悪夢のような記憶が苛み続ける。