戦争煽動を認めたメディア王ルパート・マードック

毎週日曜夜11時からTokyo Mx テレビ「松嶋×町山 未公開映画を観るテレビ」、
今夜は、世界を支配するメディア王ルパート・マードックプロパガンダTV「FOXニュース」の世論操作の実態を暴く「アウトフォックスト」の後編です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Fox_News_Channel_controversies


マードックがFOXニュースを使って国民にブッシュ政権を支持させ、イラク戦争を煽動したことは陰謀論でも何でもなく、マードック本人が認めた事実です。
2007年のワールド・エコノミック・フォーラムで本人が「イラク戦争賛成の世論を形成しようとした」とはっきり認めたときのビデオがこれです。

アニメ「ザ・シンプソンズ」ではマードックのコネを使ってイギリスのブレア首相(当時)に本人の声をアテさせ、ブレアへの影響力を示しただけではなく、マードック自身が自分の声をアテて「私がメディアの世界支配を企むマードックじゃー」というセリフを言っています。


「007トゥモロー・ネバー・ダイ」の悪役は、中国に衛星テレビで進出するために中国と英国の間に戦争を起こさせて、それを中継しようとするメディア王ですが、あれはマードックがモデル。
実際にブレアとブッシュにイラク戦争を起こさせて、それを中継することでFOXニュースはCNNを抜いて視聴率ナンバーワンの座を奪うことができた。
ブッシュ政権に都合のいいニュースしか流さなかったように、現在は中国政府に都合のいいニュース以外は流さないことで、世界最大の市場中国のテレビを支配しようとしている。


また、2008年の大統領選挙時にはFOXニュースで激しいオバマ批判を繰り返した。オバマはテロリストだのイスラム教徒だの非アメリカ国民だの反白人主義者だのデマばかり流した。
そのいっぽうでマードックオバマに対してインタビューを申し込み、反論ができる場を与えようと説得した。オバマが出演すればFOXニュースは圧倒的な視聴率を獲得できるし、オバマが当選すれば恩を売ることもできるからだ。オバママードックと極秘に直接面談し、出演の気があることを示した。すると翌日からFOXニュースはオバマへの誹謗中傷が突然ストップした。これはFOXニュースが公平で独立したメディアではなく、マードックの意向どおりに動く世論操作マシーンであることの証明だった。
オバマは結局、FOXニュースには出演せず、現在FOXニュースは激しいオバマ攻撃でブッシュ支持率と共に失った視聴率を取り戻した。


マードックはヒラリーの上院議員選挙時にNYポストを使ってヒラリーを支持したこともある。
つまり勝ちそうな方、権力を握りそうな方に、左右を問わずに近寄って自分の懐に抱え込もうとするのだ。たとえばブレア首相は当初リベラルで反サッチャーで、マードックが所有するタイムズ紙やサン紙と反対のポリシーだったが、マードックに懐柔されていっきに右傾化した。
だからマードックは単なるメディア王ではなく、世界の政治を実際に操る男の一人なのだ。