「ウォッチメン」が「アウターリミッツ」を引用したわけ
映画版「ウォッチメン」、原作にムチャクチャ忠実だけど、数少ない大きな違いは……。
1 イカが出ない
これは正解と思う。原作読んだ時はイカが出た途端にシラけた。
2 バイオレンスとセックスが3割増し
たとえば幼女レイプ魔が誘拐した幼女をバラバラにして犬に食わせる場面では、原作の犬は大腿骨をくわえているだけだが、映画版では骨に幼女の足首がついている!
3 「アウターリミッツ」のオープニングが写る。
映画版ではローリー(ヒロイン)の母が観てるテレビに「アウターリミッツ」のオープニングが写る。
というのも、この86年に出版された「ウォッチメン」のプロットは60年代初めのアメリカのTVシリーズ「アウターリミッツ」のエピソード「ゆがめられた世界統一」(原題:恐怖の設計者たち)と同じだからだ。
原作では「今宵お送りするのは『ゆがめられた世界統一』です」とテレビの音声が聴こえてくることで、アラン・ムーアはそっとネタ元を明かしているのだが、監督ザック・スナイダーはそれを無視せずにきちんと画面を出した。そういうこだわりに真摯なオタク魂を感じたね。
↓「アウター・リミッツ」「ゆがめられた世界統一」
あと、「海賊」や新聞スタンドの人々もチラッと写るだけ。
原作でも、あれは読みにくいポイントだから切ったのだろうけど、
映画版にそれがないことで重層性を失ったと批判している人も多いです。
でも、2時間半でそこまでは不可能だよ。