オスカー主演女優賞候補作「トランズアメリカ」

TomoMachi2006-01-04

『トランズアメリカ』という映画の取材でニューヨークに来ています。


『トランズアメリカ』の主人公ブリーはロサンジェルスに住む中年女性だが、実はスタンレーという男だった。
性同一障害ということで、性転換の手術を待ち望んでいるが、そこにニューヨークの警察から電話がかかってくる。
「息子さんを万引きで逮捕しました。引き取ってください」
ブリーが普通の男だった頃に生まれた息子トビーだ。
母親は彼と別れた後、ケンタッキーの男と再婚したが、自殺した。
息子トビーは養父に会うのを拒んだので、ブリーが呼ばれたのだ。
精神科医が行って来いと言うのでブリーはNYまでトビーを引き取りに行った。
トビーは17歳の美しい少年に成長していたが、コカイン中毒で、道端で同性愛の男に体を売って暮らしていた。
ブリーは自分は父親スタンレー(自分のこと)に頼まれて来た教会の職員だと偽って、トビーをケンタッキーの養父に届ける。
しかし養父はトビーを犯してきた男で、母が自殺したのもそのためだった。
この養父には預けられないと思ったブリーはトビーと二人で、自動車でアメリカ横断の旅に出る。来週までに帰って性転換手術を受けなければならないからだ。

「トランズアメリカ」というタイトルは「大陸横断」という意味と「トランスジェンダー」に引っ掛けている。
性同一障害の男性ブリーを演じるのはフェリシティ・ハフマン
デスパレートな妻たち』で、注意欠陥症候群の双子の息子を抱えた母を演じて人気の「女優」である。
夫は捨て犬の目をした男優ウィリアム・H・メイシーで、二人子供がいる。メイシーは『トランズアメリカ』のプロデュースも担当している。

フェリシティ・ホフマンは『トランズアメリカ』のあまりに見事なオカマっぷりで、今年のアカデミー主演女優賞の最有力候補と言われている。
映画評論家のロジャー・エバートは本当に男優だと信じていたほどだ。
なにしろ、大人気テレビ番組のスターなのに、特殊メイクで作った超リアルなペニスから放尿するシーンまであるのだ!