トロント映画祭②地震のピアノ調律師

TomoMachi2005-09-11

朝10時から『ドリーマー』試写。
ケンタッキーを舞台に、怪我をして再起不能と思われた馬を、トレーナーのカート・ラッセルとその娘ダコタ・ファニングちゃんが立ち直らせ、レースで優勝するまでの物語。
問題はカート・ラッセルとその父親役クリス・クリストファーソン
この二人、顔がそっくりで本当に親子にしか見えないのだ!
ちなみにオイラが映画を観始めた頃、クリストファーソンは青春スターで『ビリー・ザ・キッド21歳の生涯』なんか演ってたんだが。


午後は昨日見た『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』の監督キース・フルトンルイス・ペペのインタビュー。
尋ねもしないのに「僕らはゲイのカップルでさあ」と言い出した。
「それで、このシャム双生児映画はゲイ風味なのか」と納得してたら、
一緒に取材してた猿渡さんに「あんた、今頃気づいたの? 鈍いわね」とバカにされた。


彼らとはケン・ラッセルの話で盛り上がった。
「いやあ、僕らはずっとラッセルはホモに違いないって信じてたけど、
実際はゲイ的なセンスが大好きなだけで、まるっきしノンケなんだよね」
柳下みたいなもんですな。


夜は劇場前に並んで、ブラザーズ・クエイの新作『地震ピアノ調律師』(写真)。
邪悪な医者が美しいオペラ歌手を監禁し、オ−トマトン(からくり仕掛け)の中に閉じ込めようとする。そのために雇われたピアノ調律師が彼女と恋に落ちる……。
というストーリーに惹かれて観に行ったが……。
クエイ兄弟の売りであるアニメーションは、そのオートマトンにしか使われず、今回はピアノ調律師のメロドラマを正面から描いている。
ところが、主役のセザー・サラチョーという俳優がユーモアのまるでない藤村俊二、オシャレさのかけらもない山田康夫という感じで、まったく魅力なし。
やっぱり映画というのは監督だけでじゃなくて俳優の魅力が大きいということに、人形ばかり使ってきたクエイ兄弟は気づいてないようだ。