トロント映画祭①ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド

TomoMachi2005-09-10

朝8時にカナダ・トロント着。


ユタやベイエリアより暑い。


ダウンタウンのホテルにチェックインして、トロント映画祭のチケット売り場に行く。
今回はオフィシャルでプレス・パスを取っていなくて、直前にアスミックの依頼で来ることになったら、一般のチケットを買わないと入れないわけ。
入り口に全映画スケジュールのリストが貼り出されていて、
売り切れた映画に次々と「R」の字が書き込まれる。
これは「ラッシュ・ライン」の略で、上映館の前に並べば、席が空いていた場合だけ
先着順に座れる当日券のみ、ということ。


目当ての映画はどんどん「R」になっていく。
フィリップ・シーモア・ホフマンが『冷血』を書くために殺人犯に取材するトルーマン・カポーティを演じる『カポーティ
ジェイク・ギレンホールとヒーズ・レジャーが「恋人同士」を演じるゲイ西部劇『ブロークバック・マウンテン
ホアキン・フェニックスジョニー・キャッシュを演じる『ウォーク・ザ・ライン


結局、スラヴォイ・ジジェクのドキュメンタリー『ジジェク』など何枚かドキュメンタリー映画のチケットを買って、
インターコンチネンタル・ホテルでアスミックの人たちに合流。
まず、最初のインタビューは『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』の主役ハリー&ルーク・トレダウェイ兄弟。
ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』は、1970年代半ばのイギリスで、パブロックとパンクの狭間に登場した伝説的ロッカー、トム&バリーを記録したドキュメンタリー。
トム&バリーはシャム双生児のギターとボーカルだったが、デビュー直前に急死した。


へ? 大貫憲章先生も、そんな奴らは知らないって?


これ、実はSF作家ブライアン・オールディズ原作の偽ドキュメンタリーなのだ。
シャム双生児を演じるハリー&ルークは本当に双子の美少年。
彼らの都合で、映画を観る前にインタビューとなったのだが、
「偽ドキュメンタリーって、『ラトルズ』とか『スパイナル・タップ』みたいな感じ?」
と聞いたら
「This is NOT Spinal Tap!」と怒られた。
(『スパイナル・タップ』の原題は"This is Spinal Tap"


「どうしてかなー」と首をかしげて、夜10時からのプレミア上映に行ったら、
これが実に悲しい、シャム双生児同士のラブストーリーだった。
「偽ドキュメンタリーだからって、『スパイナル・タップ』みたいなコメディとは限らないんだよ!」ということだったのだ。
ドキュメンタリー形式なので、ブライアン・オールディズとケン・ラッセルが本人役で出演していたが、ギャグは一切ありませんでした。