アメリカ人の性行動

TomoMachi2004-12-01

『キンゼイ』という映画を観た。


あの「キンゼイ報告」のキンゼイ博士の伝記映画だ。
オイラは「モア・レポート」やら「ハイト・レポート」のほうを先に知って、その先駆者として「キンゼイ報告」というものを知った。
キンゼイ博士は、終戦直後の1948年にアメリカの男性5千人あまりにアンケートをとって、その結果をまとめた「男性の性行動」という本を出版してセンセーションを起こした(後に「女性の性行動」も出版)。
それまでアメリカはピューリタニズムのせいで、人々の性生活の実態が社会の表面に出たことがなかったからだ。
映画ではキンゼイ(リーアム・ニーソン)が昆虫学者のくせにそんな調査を始めた理由はセックスについて無知だったから、としている。
キンゼイは厳格なキリスト教徒の父によってセックスについて考えることを禁じられて育てられ、中年になるまで童貞で、結婚した初夜でもどうしたらいいかわからず(奥さんも処女)、愛を成就させることができなかった。
なにしろ昆虫や動物の交尾と同じく前戯なしでいきなり入れようとするのだから。
医者に相談して初めて「やり方」を知ったキンゼイ夫婦は、セックスをタブーにするアメリカの偽善と戦うことになるのだが、この映画に関しても、いくつかの「純潔教育団体」が激しく抗議運動を起こしている。この「純潔教育団体」というのは……詳しいことは1月10日発売の「インビテーション」に書きます。


さて、気になるのはその「キンゼイ報告」の中身。
1940年代〜50年代のアメリカ人のセックスはどういうものだったのか。
「男性の20.9%は16歳以前に童貞を捨てた」
「女性の20%は18歳以前に処女を捨てた」
「18歳までの男性の68%が婚前性交渉の経験がある」
「女性の50%が婚前交渉の経験がある」
「既婚男性の50%が婚外セックスを経験している」
「既婚女性の26%が40歳までに婚外セックスを経験している」
 当時、キリスト教団体を怒らせたのはこの部分。
 アメリカの偽善を暴いたからだ。

「30歳以下の既婚女性の平均性交回数は週に2.2回」
「50歳以下の既婚女性の平均性交回数は週に1回」
 このデータを見て「ウチは少ないじゃないの!」とダンナを責めた奥さんが世界中に数千万人いたんだろうな。
「挿入後、射精まで5分以上持続する男性は52.4%」
 二人に一人が入れたら即効出しだったんだ。
「男性の8%はオナニーをした経験がない」
 でも夢精はするんだろうな。ものすごくいやらしい夢見て。
「既婚者の53%は10分以上前戯をする」
 二人に一人がほとんど前戯しないってことか。 
「セックス時にフェラチオをする既婚者は54%」
「セックス時にクンニリングスをする既婚者は49%」
「セックス時に後背位を使うのは15%」
 これも少ない。実際、当時の女性はベッドではマグロのように動くなと教えられていたとか。
「既婚女性の10%はコイトス(挿入)でオーガズムに達した経験がない」
 バック実施者が少ないわりにコイトスだけでイケる女性が9割もいたの?
「男性の37%が同性との性行為でオーガズムに達したことがある」
 性行為そのものをした数はそれ以上ってことか? 
 当時はホモは精神病だと言われ、州によっては犯罪扱いだった。
 ところがキンゼイは「ホモは病気ではなく嗜好にすぎない」と言ってキリスト教団体から叩かれた。
「男性の46%は両性に性的に惹かれることがある」
「既婚男性の11%はアナルセックスの経験がある」
 ホントかよ? ていうかみんなけっこうしてるの?

このデータの信用性についてはいろいろ批判はある。特に問題になったのは同性愛経験の多さだ。

これは50年前のデータだが、フェラとクンニする人は最近の調査ではほとんど百パーセントになっている。
『キンゼイ』は松竹が日本公開するそうだが、チンチンやマンマンがいっぱい出てくるけど、どうするんだろう(ペニスが陰唇にあてがわれた状態の医学写真がスクリーンに大写しになる)。
キンゼイが助手(ピーター・サースガード)と同性間性行為を実験する場面ではサースガードは丸出しだ。
これが白人にしてはかなり小さいので安心する。