2008年も残すところあと2ヶ月ちょっとしかない。
2008年のアメリカ映画ベスト10を作ってみる(ドキュメンタリー除く)
1 ダークナイト
2 ウォーリー
3 アイアンマン
4 ハロルドとクマー、グアンタナモに行く
5 ウォンテッド
これだけ。
5本しかないじゃん! ちゃんと新作観てるのに!
これはオイラの趣味がムチャクチャ偏っているから、というわけじゃないよ。
実は、今年は今のところアカデミー賞候補になりそうな映画が全然ないんだ。
賞レースの有力候補だった『ソリスト』『ディファイアンス』『ザ・ロード』などの公開は来年に延期されちゃった。
今年10月までに公開されたアメリカ映画で、アカデミー作品賞に値するクオリティ、深いテーマを持った作品は『ダークナイト』と『ウォーリー』の2本しかない始末だ。
でも、かたやアメコミの映画化、かたやアニメーション。
アメコミ映画やアニメーションはオスカーの作品賞を獲ったことはない。
これから年末までに公開される映画で賞レースにからみそうな映画は以下の9本(★が下馬評で有力)。
★デヴィッド・フィンチャー監督 ブラッドピット主演『キュリアス・ケース・オブ・ベンジャミン・バトン』フィッツジェラルド原作 老人から赤ん坊へと人生を逆に進む男の物語。ブラピが特殊メイクとCGで老人子供を演じる。
★ガス・ヴァン・サント監督 ショーン・ペン主演『ミルク』殺されたゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクの伝記映画
★ロン・ハワード監督 『フロスト/ニクソン』BBCのホスト、デヴィッド・フロストによるニクソン大統領インタビューの映画化
★サム・メンデス監督 レオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンズレット再共演『レボリューショナリー・ロード』50年代の郊外住宅地を舞台に、愛し合って結婚した男女の心がすれ違い、ぶつかる様を描く。『タイタニック』の二人が結婚してたら果たしてうまくいったのか? という風にも見えるらしい。
クリント・イーストウッド監督 アンジェリーナ・ジョリー主演『チェンジリング』
チャーリー・カウフマン監督 フィリップ・シーモア・ホフマン主演『シネクドキ、ニューヨーク』
『マルコヴィッチの穴』の脚本家カウフマンの監督デビュー作 舞台劇演出家が17年間もかけて倉庫のなかに実物そっくりのニューヨークの街を作ってしまうという不思議な話。
ウェイン・クレイマー監督 ハリソン・フォード主演『クロッシング・オーバー』
これはファンが作った予告編
ブライアン・シンガー監督 トム・クルーズ主演『ヴァルキリー』ヒットラーを暗殺しようとしたストイフェンベルク大佐の実録もの
ジョン・パトリック・シャンリー監督 メリル・ストリープ主演『ダウト』カソリック教会の神父による少年への性的虐待を知った修道尼が主人公
これだけあれば、何本かは傑作だろうとは思うけどね。作品賞候補は5本あればいいし。
でも、完成するまでわかんないよ。
たとえばリドリー・スコット監督の「ボディ・オブ・ライ」はずっと巨匠の傑作と期待されていたけど、公開したら不発で賞レースから消えてしまった。
だから、もしかすると『ダークナイト』がオスカー候補になる可能性がある。
助演男優賞はもちろんジョーカーを演じたヒース・レジャーが独走中。
「ハリウッド・レポーター」紙によると、ワーナーはオスカーの投票が行われる年明けに『ダークナイト』を再公開するそうだ。日本でも公開し直したほうがいいよ。
ちなみに個人的な今年の映画のベストシーンは『ダークナイト』で警察署を脱出したジョーカーが車の窓から顔を出して髪をなびかせるシーンだ。