テリー・ギリアムの新作『グリム兄弟』とオフィーリア

テリー・ギリアム監督の新作『グリム兄弟』を観たけど、アメリカ公開までは内容を書かないという誓約書にサインしたので、マット・デイモンヒース・レジャー扮するグリム兄弟がゴーストバスターとして活躍する映画、という基本設定以外は何も言えません。


ただ、ジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』のイメージが何度も何度も執拗に繰り返されるので死ぬかと思った。

この絵は愛するハムレットに父を殺されたオフィーリアが気がふれて、歌を歌いながら川に沈んでいく光景を描いたもの。
この絵をロンドンで見た時、あまりのリアルさに本当に息ができなくなってその場に座り込んだ。
パソコンで小さな絵を見てもわからないが、本物はなんというか写真以上にリアルで、本当に目の前で女性が沈んでいく、その水の冷たさまで伝わってくるような迫真の筆致。実際の絵では彼女の顔は水面上に出ているが、あまりにリアルなのでその一瞬後に顔まで水没する感覚が共有できてしまうので、見ているだけで呼吸困難になってしまったのだ。


『グリム兄弟』ではこのイメージが何度も繰り返されるので観ていて息ができなくなって困ったよ。