NIGOって20世紀FOXに版権料払ってるの?

映画秘宝編集長の田野辺くんがサンフランシスコに来た。
おみやげに週刊現代を持ってきてくれたんだけど、
そこに「NIGOが脱税?」みたいな記事が載ってた。
脱税は知らないけど、Bathing Apeのサルの絵って『猿の惑星』の写真を加工したものだけど、あれで何億円も儲けてるけど、20世紀FOXに少しは使用料払ってるんですか?
もし払ってなかったら、20世紀FOXは裁判に訴えてNIGOに使用料請求したほうが映画配給よりも儲かると思うなあ。
まあ、原価千円もしないTシャツに6千円以上も払ってるSMARTの読者からいくら金をふんだくろうと結構だけど。


あと、Bathing Ape(温泉につかった猿)というブランド名だけど、
「温泉につかった猿」というフレーズを最初に使い始めたのって根本敬さんだよね。
たしか勝新太郎が気持ち良さそうに歌を歌う感じを表現するために使ったのが最初だったはず(1985年頃)。


根本さんが使い始めたフレーズって実は多いんだ。
みうらじゅんさんが「クソゲー」とか「マイブーム」って言葉を作ったのはけっこう有名だけど、根本さんの場合は知らない人が多いね。
「トリコじかけ」(電気グルーブかなんかが使ってた)
「でも、やるんだよ!」(スチャダラかなんかが使ってた)
それに「電波系」なんかは根本さんが最初に使い始めたんだ。


「電波系」なんて言葉は、もともとは中目黒の駅にあった「電波喫茶」が元なんだよね。
店の表側が「世間には電波で私を攻撃する人がいます」みたいなメッセージが耳なし芳一(よしかずではない)の体みたいにびっしり書かれた喫茶店で、化粧の濃いおばさんが経営してるの。
『宝島30』の連載コラムで記事にしようと思って、根本さんと担当編集者のオイラはただの客を装ってそこに行ったんだ。
オイラはポケットにマイクロカセットを隠して、おばさんの電波陰謀論をずっと隠し録りしてたんだ。
おばさんは一時間以上しゃべり続けていた。
「電波を防ぐために地下鉄の工事現場の蓋に使う厚さ1センチの鉄板を買った」
「電波で私を攻撃してる私をスパイしている」
「そいつらは私を盗聴している」
「皇室を批判した雑誌『宝島30』の編集者も電波の仲間だ」
「そいつらは本当は在日韓国人だ」
 このおばはん、エスパーかと思ってドキドキしたよ。


「これ、隠し録りを勝手に記事にして大丈夫?」って根本さんに言ったら、
「大丈夫。『美人のママさん』と書いておけば女の人は怒らないもんだよ」と笑ってた。
店はその直後につぶれた。おばさんは病院にでもブチこまれたのかな?