ベイエリア裏ガイド③ボンズの73号HRボールを捕った男のハンバーガ

TomoMachi2005-04-18

2001年にSFジャイアンツのバリー・ボンズが打ったシーズン73号ホームラン・ボールをめぐる騒動が「Up For Grabs」という映画になりました。


今日の2時からのTBSストリームでは、その話をします。


Smart Alec's Intelligent Fast Food
スマート・アレックのインテリジェント・ファストフード
2355 Telegraph Ave
Berkeley, CA 94704
(510) 704-4000
7 days: 11:00 am- 9:00 pm

バークレー大学の正門前のテレグラフ通りにあるハンバーガー屋さん。
ここは全品ベジタリアン向けのヘルシー・メニューなのが売りで、いつも女子大生で満員なのだが、全国的に有名なのはハンバーガーではなく、オーナーだ。
オーナーのスマート(りこうな)・アレックこと、アレックス・ポポーヴさんはボンズのHRボールを捕って、落として裁判を起こしたその人なのだ。

2001年10月7日地元サンフランシスコでの最終試合でジャイアンツのバリー・ボンズはシーズン73号のホームランを打つことを期待されていた。
ボンズはすでに、98年にマーク・マッガイアが残したシーズン70本という記録を破っていた。マッガイアの70号ホームランボールはオークションで270万ドル(約3億円)という史上最高の値段で買い取られた。
ということは、ボンズの73号はそれ以上になるに違いない!
カリフォルニアの宝くじに当たる確率は600万分の1といわれている。
しかし、ホームランが出れば、この野球場にいる4万人のうちの誰かが必ずそのボールを掴んで億万長者になる。宝くじより効率がいいではないか!
かくしてその日、パックベル・スタジアムの内にも外にもグローブや網を持って一攫千金を狙うオヤジたちが群がった。
この球場、ボンズのホームランが一番よく飛んでいくライト側にはスタンドがない。そのまま海になっていて、場外ホームランになる。そのため、球場の真下の海にも何十隻ものボートやカヌーがハイエナのように待ち構えていた。でも、いちばん人が集まっていたのは、ライト側の海と球場の境目の陸橋のようになっている場所。ここは通路なのだが、その日はグローブを持った男達であふれかえり、ポポーヴさんもそこにいた。


そして、バリー・ボンズはホームランを打った。
ボールはポポーヴさんのグローブにすっぽり収まった。
そころが、殺到する群衆に揉みくちゃにされ、ポポーヴさんは倒れた。
パニックのなかから、一人立ち上がってカメラに向かってボールを見せてニッコリ微笑んだのはポポーヴさんではなく、日系人のパトリック林だった。
ここから二年以上にわたる、闘いが始まったのだ。


この戦いの結末は、来月発売の「サイゾー」に書きましたので、すみませんが、そちらを参照してください。