悪にまみれた少女たちの禁じられた映画『小さな悪の華』
地獄でも、天国でもいい、
未知の世界が見たいの!
悪の楽しさにしびれ
罪を生きがいにし
15才の少女ふたりは身体に火をつけた。
毎週木曜日更新ポッドキャスト「町山智浩のアメリカ映画特電」、
今週は「トラウマ映画館②」ということで『小さな悪の華』(71年フランス)の話をします。
上に引用したのは日本公開時に配給会社が書いた惹句。
うまいねえ。最近の映画宣伝にはこういう詩心がないね。
ボードレール、バタイユ、ランボー、ロートレアモンに耽溺した寄宿学校の少女二人が
悪の愉しさに身をまかせ、放火、動物虐待、セックスで誘っての殺人などを繰り返していくという
本国フランスでも上映禁止になった問題作(未成年ポルノぎりぎりの内容なので)。
監督は、1954年にニュージーランドで起こった殺人事件を新聞で読んでインスパイアされた。
その事件はニュージーランドのピーター・ジャクソン監督によって実録映画『乙女の祈り』になっている。