町山智浩が選んだ2011年映画ベスト10です
オイラは映画に点数つけるのは大嫌いなので、この順位はあんまり気にしないでください。
あと、アメリカでは2010年に公開されて、日本では2011年公開の映画は、2010年のベストテンのほうに入ってます。
それに、この後も「デンジャラス・メソッド」とかいろいろ観るので、これは12月17日までに観た映画で好きな順に10本並べただけです。
それに、当たり前ですが、出来の善し悪しは関係なく、あくまで個人的好みで決めてます。だから、たとえば『未知との遭遇』や『ET』に何の思い入れもない人は『宇宙人ポール』に泣けないわけで…。
コメディに偏ってるのも、あくまで好みです。
第1位 「宇宙人ポール」(12月日本公開)
スピルバーグの映画で育ち、アメリカ映画に憧れ、オッサンになってからアメリカに渡って、映画とは違う本当のアメリカにびっくりする、という主人公たちは、オイラ自身です! ベストワン以外に考えられません。「ギャラクシー・クエスト」に泣いた人は必見です。「なぜ、宇宙人の名前がポールなのか?」みたいなことは映画秘宝 2011年 12月号 [雑誌]で5Pにわたってたっぷり論じたのでアマゾンなどで購入してお読みください。
日本では本日から東京で先行公開されますが、町山は劇場用パンフレットにも解説を書いてます。
キラキラでの解説
第2位 「ブルー・バレンタイン」
この映画のダメ夫も十年前のオイラだ!
「ブルーバレンタイン」の技術的な凄さについては劇場用パンフで論じていますのでご参照ください。主人公が朝、目覚める瞬間を撮るために、本当に俳優を眠らせて、スタッフはその周りで彼が起きるまで待機したという話には驚きました。
「ブルーバレンタイン」をめぐる討論会 http://b-valentine.com/report.html
キラキラでの解説
第3位 「ミッション 8ミニッツ」
これも劇場用パンフでラストの「アレ?」な部分まで詳しく解説しました。ぜひ、お読みください。
キラキラでの解説
第4位 「猿の惑星・創世記」&「プロジェクト・ニム」(日本未公開)
この2本はぜひ、一緒に観て欲しいです。人間の薬のためにチンパンジーを生体実験しているのは今も続いている現実です。
キラキラでの解説
第5位 「アタック・ザ・ブロック」(日本未公開)
ロンドン暴動の前に、あの暴動の主役になったフードつきのパーカーを着た貧困層の子どもギャングたちがどれほど荒廃しているかをリアルに描きながら、それを異星からの怪獣たちとの血みどろ戦争につなげて、最後は英雄誕生の神話的な感動へ。三つのチャレンジに大成功!
キラキラでの解説
第6位 「ミッドナイト・イン・パリス(真夜中のパリ)」(日本未公開)
ウディ・アレンがオーウェン・ウィルソンの肉体を借りて完全復活!ジャック・フィニイ風のタイムトラベルものです。
キラキラでの解説
第7位 「ブライズメイズ」(日本未公開)
男に捨てられ、職も失った30代女性が、親友の結婚式に呼ばれ、ブライズメイド(花嫁の介添人)として結婚式を盛り上げようとして大失敗というコメディ。「宇宙人ポール」でキリスト教原理主義の女の子を演じたSNLメンバー、クリスティン・ウィグが脚本主演で、下ネタ満載だけど感動!
キラキラでの解説
第8位 「シダー・ラピッズ」(日本未公開)
「ハングオーバー」で真面目な歯医者を演じたエド・ヘルムズが今回も田舎町の真面目な保険外交員を演じます。キャプラの名作「スミス都へ行く」の保険業者版です。
キラキラでの解説
第9位 「ランゴ」
サム・ペキンパーやイーストウッドの西部劇が好きなら全編号泣。監督がインタビューで、オマージュ捧げた映画として「砂漠の流れ者(ケイブル・ホーグのバラード)」を挙げた時は「そうそう!」と思ったよ。このポスターなんてアーネスト・ボーグナインだし。
キラキラでの解説
第10位 「ドライブ」(日本未公開)
これは本当にヘンテコでヘンテコで、頭に引っ掛かる映画。「金返せ」と劇場を訴えた観客もいたけど、その気持ちもわからなくもない。でも、忘れられないほうが勝ち。
これは映画秘宝には原稿書いたけど、音声では解説してないので、特電でやろうかな。
他に良かった映画
他に良かったのは、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」「スーパー!」「ザ・ヘルプ 心をつなぐストーリー」「ザ・ディセンダンツ」「ジ・アーティスト」「スーパーエイト」「マージン・コール」「J・エドガー」「戦火の馬」「ヒューゴの不思議な発明」「スーパー・チュースデー」……。どれもオススメです。