兵隊人形とバービーでユートピアを作った男


今日発売のサイゾー6月号の連載に、「マーヴェンコール」というドキュメンタリー映画について書きました。

 11年前、ニューヨーク州の田舎町で、マーク(当時38歳)は瀕死の重傷を負った。
 バーの駐車場で5人の若者に殴られ、蹴られ、脳挫傷で9日間昏睡状態に陥った。
 障害が残り、それ以前の記憶を失った。
 つまり、海軍にいたこと、結婚したこと、離婚したこと、アル中になり、ホームレスとして放浪していたこと、そして自分がどんな人間かということが思い出せなかった。
 マークはリハビリをするうちにマークは兵隊人形で遊び始めた。
 食事を1日1回に切り詰めて貯めた金で、人形のための服や、新しい人形を買った。ベニヤ板で建物を作った。彼の家の庭はいつしか、マーヴェンコールという街になった。その人形ごっこの主人公の兵士はマーク自身だという……。

サイゾー 2011年 06月号 [雑誌]

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