映画秘宝最新号は『ブギーナイツ』
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/02/21
- メディア: 雑誌
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オイラは『ブギーナイツ』について書いてます。
ハリウッド映画をマンガ雑誌に例えるなら「ビッグコミック・スピリッツ」や「モーニング」だ。
主人公は美男美女の医者や弁護士やサラリーマンで、スーツを着て、ワインを飲み、趣味のいいインテリアの部屋に住み、含蓄のある会話をするヒーローたちだ。
それに対し『ブギー・ナイツ』は「ヤング・マガジン」だ。
出てくる連中は、工業高校すら中退で、ジャージを着て、部屋にはエロ本とカップラーメンの殻が転がり、会話には知性のかけらも無く、スケベで、ブサイクだ。
つまり、オイラたちのようにリアル。
『ブギーナイツ』の落ちこぼれたち描写の裏には、監督PTアンダーソンが高校を落ちこぼれて三つも転校した末にダブってやっと卒業して母親からクズ呼ばわりされた経験が生きている。
『ブギーナイツ』は全編、見てるだけでゾクゾクするカメラワークの連続だけど、
白眉はプールサイドパーティのシーン。
PTアンダーソンは『怒りのキューバ』へのオマージュだと言っている。
二つのシーンを比べてみよう。
『怒りのキューバ』は1964年のソ連&キューバ映画。
まだスティディカムのなかった当時に、こんなカメラワークは驚異的だ。