ゾンビ家元ロメロ健在!『ランド・オブ・ザ・デッド』は傑作だった!

TomoMachi2005-06-17

祝 ロメロ復活!

ランド・オブ・ザ・デッド』は傑作だった!





ハードコアパンク仕上げのリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』、コメディ版の『ショーン・オブ・ザ・デッド』の大ヒットに対して
ロメロ御大は本家元祖家元の本格派ゾンビ映画を見せてくれた!
最近の映画のチャカチャカした編集と違って残虐シーンもしっかり見せてくれる。
ゾンビが人間の口に手を突っ込んで内臓を引きずり出す!
目玉をほじくってポリポリ噛み砕く!
へそをピアスごと食いちぎる!
マシンガンの掃射でゾンビの首を切断!
神経と血管だけ残して首をほとんど切断されたゾンビが襲ってくる!
それに舞台がピッツバーグだから、『ゾンビ』で殺された暴走族のトム・サビーニがゾンビになって鉈をふるいまくるぞ!




舞台はピッツバーグ
二つの川に挟まれたピッツバーグダウンタウンは、もう一方に壁を築いて、ゾンビから隔離された「島」になっていた。
そこに君臨するのは武力、水、食料をいち早く独占した金持ちたちで、彼らはフィドラーズ・オブ・グリーンと呼ばれる高層ビルで優雅に暮らしていた。
それ以外の人々はビルの下のスラムで貧しく暮らし、生活のためには軍隊に入るしかなかった。
軍隊の役目は島をゾンビから守ることと、島の外に出てゾンビを蹴散らして物資を強奪してくることだ。
軍隊の武器はロケット砲やバルカン砲で武装した巨大な装甲車「デッド・リコニング」号だった。
しかし兵隊の一人、チョロ(ジョン・レグイザモ)はいくら働いても支配階級に入れない現実に怒り、デッド・リコニングを奪ってテロリストとなり、ロケット砲でフィドラーズ・タワーを攻撃すると脅迫した。
島の支配者カウフマン(デニス・ホッパー)は、チョロのライバル、ライリーを雇って、テロリスト狩りを命じた。
いっぽうゾンビの一人、ビッグダディは「目覚めた」。
ダディは自分たちを虫けらのように扱う「島」の住人たちに対して「決起」し、ゾンビを率いて「島」に押し寄せていた!




このストーリーを読めば、わかる人はわかると思うが、今回は今まで以上に政治的メッセージがわかりやすく直接的だ。
ロメロは、一作目はベトナム戦争と人種暴動、二作目は消費社会、三作目はレーガン政権の右傾化を反映したと言っている。
つまり、どれもその映画が製作された当時のアメリカの状況を戯画化したものなのだと。
で、今回は、「島」に今のアメリカが象徴されているのだ。