「時計じかけのオレンジ」と自由意志


1971年、『サタデー・レビュー』掲載のスタンリー・キューブリックのインタビュー

ペネロープ・ヒューストン アンソニー・バージェスの原作(『時計じかけのオレンジ』)は1962年に出版された時に読みました?
キューブリック 最初に読んだのは2年半前だ。テリー・サザーンからもらったんだ。『2001年宇宙の旅』の撮影中に。私はあまり時間がなくて、本棚の山ほどある読まなきゃならない本の中に突っ込みっぱなしだった。ある晩、私は本棚の前を通って、そのペイパーバックが根気よく本棚に残ってるのを見て、手に取った。そのままいっきに読み終わってしまった。第一章を読んだだけで、素晴らしい映画になるのは明らかだった。


ミッシェル・シマンによるスタンリー・キューブリックのインタビュー
http://www.visual-memory.co.uk/amk/doc/interview.aco.html

ミッシェル・シマン 『時計じかけのオレンジ』については沢山の違う解釈がなされてきましたが、監督ご自身はあの映画をどうご覧になりますか?
キューブリック この映画の中心にあるのは自由意志についての問いに他ならない。善悪を自分で選ぶことができなければ人間性は失われてしまうのでは? タイトルが示すように時計じかけのオレンジになってしまうのでは?

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