オスカー最優秀ドキュメンタリー「売春窟に生まれついて」

TomoMachi2005-03-07

今年のアカデミー賞で最優秀ドキュメンタリーに選ばれた“Born Into Brothels(売春窟に生まれついて): Calcutta's Red Light Kids(カルカッタ売春地帯の子供たち)”は、「ドキュメンタリーは客観的であるべきだ」とかヌルいこと言ってやがる奴らの目を開かせる映画だ。


ザナ・ブリスキというイギリス人女性がカルカッタの売春地帯の子供たちにカメラを与えて写真の撮り方を教える。
迷路のように入り組んだ、昼なお暗い売春窟で生まれ育った子供たちの母親はみんな売春婦である。
父親はいないか、いても朝から酒かハッパで朦朧として働かないか、刑務所に入っている。
子供たちは小学校に上がる前から家族のために働かさせる。
朝は4時に起きて、水道もないので井戸に水を汲みに行く。
ゴミ溜めのような家で鍋や食器を素手で洗い、食事の準備をする。
子どもに足枷をはめて鎖で繋いでいる家もある。
幼い弟や妹の面倒をみながら、母を抱きに来た客に酒や茶をふるまってもてなす。
もちろん、子供たちは物心ついた時から母が何をしているのかは知っている。
そして初潮を迎えるとすぐに客を取らされる。
この映画では描かれていないが、男の子も同様だと映画評論家のロジャー・エバートは書いている。

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