反戦じゃないよ

TomoMachi2004-06-26

戦争か平和かという問題でも正義がどうしたという問題でもない。


戦争も平和も正義も悪党も、その目的は一つ。


味方の損失を最小限にすること


で、ブッシュのやってることはそれに反している、それだけ。


で、『華氏911』でマイケル・ムーアが言ってることは一つ。



Why don't you destroy Al Quaed and Bin Laidin, not Iraq?
どうして、イラクじゃなくて911の犯人であるアルカイダビンラディンをやっつけないの?


「殺人事件の犯人逮捕」というのはまず第一にしなければならないことであって、
左翼だの右翼だの、イデオロギーや正義だの思想的なこと、いや政治的なことすら関係ない。
共和党民主党かも関係ない。
でもブッシュはビンラディン一族の「ダチ」だから、奴らを逃がして無関係なイラクにかまけている。敵の味方が大統領だって?
だから、ムーアは別に思想を共有しない民主党とも共闘する道を選んだ。
それはケリー候補が共和党のマケインを副大統領として共闘しようとしたことでもわかるでしょう?

今や問題はすでにイデオロギーや政党を超えている。

真の対テロ戦争に勝つために、偽の対テロ戦争であるイラク戦争から一刻も早く手を引くべき

という「911事件解決」の具体的な手段の問題なのだ。
フセイン打倒のためにテロリストを温存したせいで戦火は長引き、アメリカだけでなくアジアやヨーロッパもすでに犠牲者が出ていて経済的損失も莫大なものになりつつある。


しかもそれで貧乏人の子供が貧乏人の子供を殺すハメになっている。


で、そんなバカをやったブッシュを降ろせる可能性があるなら、
そのことに少しでも貢献できそうならとりあえず何でもやってみよう、ということ。
減るもんじゃないし。


アメリカ人の多くが「イラク戦争911への報復」と思い込んでいるので、イラク戦争に反対する人はテロリストの味方だ、と思ってしまている。
しかもマヌケなことに、今イラクでテロをしてる連中がフセインの仲間だと思っていたりする(今のテロリストこそ今までフセインに押さえつけられていたイスラム原理派、つまりアルカイダの仲間)

そんなマヌケなアメリカ人たちに、『華氏911』は、
「そうじゃない、まだ911の犯人は捕っていない。事件の全貌すらわかっていない。殺人犯はまだ野放しなんだから、イラクよりそっちだろ」と教えてやるための映画なのだ。


とにかく911という殺人事件を解決しよう、そのためには関係ないことしてるブッシュをやめさせよう、というイデオロギーや善悪を超えた、戦略的で現実的な有効性のあるアクションなのだ。
仲間を殺されたのに、その犯人ほったらかしで全然関係ない人を殺してるバカがいて、
自分にそれを止めることができそうなら、とりあえずやってみる。
とりあえず右も左もない。正義かどうかでもないね。